住宅ローンを組んだり、サブスクなど定額利用サービスを契約したりする際、本人確認として運転免許証などを提出しますが、カードローンの申し込みも本人確認が必要です。
本人確認なしでカードローンは申し込みできません。それはなぜなのでしょうか?
本人確認の重要性や本人確認に必要な書類について、提出する際の注意点について解説します。本人確認なしで申し込める貸金業者の危険性についてもお伝えします。
本人確認なしでカードローンが申し込めない理由
カードローンを申し込む際は、必ず本人確認書類を提出し、本人であることを証明する必要があります。カードローンは本人確認なしでは申し込みできません。なぜ本人確認なしでは、申し込みできないのでしょうか?改めて理由を把握しておきましょう。
本人以外の申し込みを防ぎ犯罪を回避するため
本人確認なしで申し込みができないのは、なりすましなどの犯罪を防ぐためです。自分の知らないところで、誰かに消費者金融や銀行などからお金を借りられてしまえば、身に覚えのない借金ができてしまいます。
本人確認なしで借り入れができてしまう仕組みでは、そのような被害を生む原因となってしまいます。また、運転免許証や健康保険証などの情報を盗まれるようなことがあれば、消費者金融や銀行のカードローンに申し込むこともできなくはありません。
実際、運転免許証を偽造して銀行口座を開設したり、携帯電話のSIMカードを乗っ取ったりするなどの犯罪も起こっています。
本人確認なしでは信頼性が疑われる!本人から確実に返済してもらうため
本人確認なしでお金を貸した場合、もし本人ではなかった人にお金を貸してしまったら、お金を貸した側は返済してもらえないリスクが生じます。本人に「返済義務はない」ということを主張されれば、貸したお金は返済してもらえません。
闇金や犯罪組織に資金が流れるのを防ぐため
書類を偽造したり、書類を盗んだりしたりしてカードローンを契約し、融資を受けた場合、借りたお金が闇金やテロ組織、犯罪組織に流れる危険性があります。犯罪の資金とならないよう、本人確認なしではお金を貸すことはできません。
本人確認が済んでいるクレジットカードのキャッシングなら本人確認なしで借り入れ可能
新規で契約をするカードローンは本人確認なしというわけにはいきませんが、自分が持っているクレジットカードでキャッシングをする際は、本人確認の書類を提出する必要はありません。
クレジットカードを契約するときに、すでに本人確認が済んでいるため、クレジットカードにキャッシング枠があるなら本人確認なし、審査なしでお金を借りられます。
ただし、キャッシング機能でお金を借りれば利息がつきます。ショッピングで利用した分とキャッシングで利用した分、両方の支払いをしなければなりません。
クレジットカードのキャッシングは手軽にお金を借りられる便利なサービスですが、支払いが滞らないよう、計画的な利用が必要です。
カードローンで認められる本人確認書類
カードローンの申込時に本人確認書類として提出が求められる主なものは、次の書類です。
- 運転免許証
- 運転経歴証明書
- パスポート
- 健康保険証
- マイナンバーカード(個人番号カード)
- 年金手帳
- 身体障害者手帳など官公庁が顔写真付きで発行した各種福祉手帳
- 在留カードもしくは特別永住者証明書
上記のような書類で、氏名や住所、生年月日、顔写真などを確認します。
住民票は市区町村などが発行するもので、顔写真もないため本人確認書類としては認められていないことがほとんどです。
また、パスポートも本人確認書類となるものの一つですが、2020年2月4日以降に申請した場合は要注意。2020年2月4日以降に申請したパスポートには住所を記載する欄がありません。
2020年2月4日以降に申請のものは、「所持人記入欄」がないため、ご利用いただけません。
その場合、ほかの書類を用意するか、パスポートのほかに住所が確認できる書類をあわせて提出することになります。
カードローン会社によって提出する本人確認書類は異なるので、希望する業者の提出書類を確認しましょう。
本人確認書類が提出できない場合の対処法
該当する書類がないからといって、本人確認なしで申し込むことはできません。しかし、運転免許証がなくてもその他の書類や、複数の書類を組み合わせて提出するなど対処法があります。
代わりになる書類や複数の種類を組み合わせて提出する
本人確認書類は提示された書類の中から、1点~2点提出します。2点提出しなければならないのに、1点しか提出できない、という場合もあるでしょう。
その際は、もう1点を補完書類として提示されたものの中から選び組み合わせて提出すればよい、というケースがあります。
補完書類の例としては、以下のようなものです。
- 公共料金の領収書
- 納税証明書
- 社会保険の領収書
- 住民基本台帳カード
消費者金融や銀行によって、提出する書類の点数や組み合わせなどは異なるので、不明な点があれば連絡をして確認することをおすすめします。
本人確認なしでは申し込みできないのでカードローンの窓口などに連絡をする
原則、本人確認なしでは申し込みができません。求められる本人確認書類が用意できない場合は、消費者金融や銀行に連絡をして相談してみましょう。
または、マイナンバーカードを作成するのも方法の一つです。マイナンバーカードは氏名や住所、生年月日などが記載され、顔写真も付いています。市区町村にもよりますが、申請から約1ヵ月程度で発行されます。
マイナンバーカードの申請後、審査を経て概ね1か月ほどでカードを発行し、お住まいの市区町村に送付いたします。
カードを受け取った市区町村では、交付のための作業が完了してから交付通知書を順次送付いたしますので、お手元に届くまでお待ちください。
マイナンバーカードを申請するには、市区町村から送られている通知カード・交付申請書を用意し、スマートフォンやパソコン、郵便などで申請します。交付申請書を失くしてしまった場合は、市区町村の窓口で再発行をしてもらいましょう。
マイナンバーカードは、健康保険証として利用できたり、コンビニなどで住民票のコピーを取ることができたり、便利なことも少なくありません。まだ持っていない場合は申請してみましょう。
本人確認書類の偽造は違法行為なのでやらないこと
運転免許証などを偽造して逮捕される、などといったニュースもよく聞かれます。本人確認書類がないからといって書類を偽造したり、他人の免許証や健康保険証などを借りたりしてお金を借りるのはいけません。
免許証などを偽造して利用すれば、「偽造公文書行使罪」として罪に問われ、1年以上、10年以下の懲役などが科せられる可能性があります。
銀行などでは口座開設などの際、本人確認の書類が本物かどうか、機械を使ってチェックしているケースもあります。
運転免許証等の本人確認書類をご提示いただいた際は、専用の機械で、真がん判定をさせていただきます。
引用元:三井住友銀行 口座を開設されるお客さまへのお願い(個人) 専用の機械による真がん判定の実施に、ご協力をお願いいたします
また、家族の免許証などを使い、カードローンの申し込みをするのもNGです。消費者金融や銀行に嘘をついたことになり、判明した場合にはカードの解約はもちろん、借りたお金を一括で返済するよう要求されることもあります。
本人確認書類が用意できないからといって、偽造や嘘をつくなどの行為はしないようにしましょう。
本人確認書類を提出する際に必要なチェックポイント
本人確認書類を提出しても間違った書類を用意してしまうなど、指示通りでなければ本人確認ができません。特に融資を急いでいる場合は慎重さが必要です。本人確認ができないと審査は進まないので、お金を借りるのが遅くなってしまいます。
本人確認書類を提出する際に注意したいポイントについて解説します。
提出書類の期限に注意
当然、運転免許証の期限が切れていれば本人確認ができません。提出する書類の期限が切れていないか確認をしましょう。
また、提出書類によっては「〇年〇月〇日以上に交付されたもの」「発行日から6ヵ月以内のもの」など、期限が指定されているケースがあります。注意書きなどをしっかりチェックして不備のないようにすることが必要です。
書類と現住所が異なる場合には注意が必要
本人であることを確認するためには、住所の確認も重要です。そのため、提出書類と現住所が異なる場合は現在の住所を確認できる書類も用意する必要があります。
現在お住まいの自宅住所が記載されている以下のいずれかの書類(発行日から6か月以内のもの)をあわせてご用意ください。
・公共料金の領収書(電力会社・水道局・ガス会社・NHK発行のもの)
・住民票の写しまたは住民票の記載事項証明書
・国税または地方税の領収書、もしくは納税証明書
・社会保険料の領収書
申し込み方法などによって提出する書類が異なることもある
Web完結での申し込み、来店や郵送での申し込みなど、申し込み・契約手続きの方法によって提出する書類が異なることがあります。
ご契約方法により、必要な提出書類が異なります。お客さまのご契約方法にあわせてご確認ください。
引用元:レイク ご契約方法ごとの提出書類
申し込む方法や契約手続きの方法を確認し、間違いのない書類を用意しましょう。
裏面と表面の両方が必要な場合もあるので指示をチェック
書類ごとに確認内容が記載されている部分を提出する必要があります。提出書類ごとによくある注意点には次のような点があります。
運転免許証 | 現住所がある部分が必要。裏面に現住所が記載されている場合は表・裏の両面を提出 |
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健康保険証 | カード型の場合は両面が必要。現住所が空欄の場合は住所を記入。(紙の健康保険証の場合)被扶養者の場合は本人が記載されている部分が必要 |
パスポート | 顔写真のページと所持人記入欄の部分が必要 |
マイナンバーカード | 顔写真・住所が記載されているページのみ必要 |
在留カード・特別永住者証明書 | 表・裏面が必要 |
消費者金融や銀行によって詳細は異なるので、申し込むカードローンの本人確認書類について確認をしてください。
画像を送信する際は必要な部分が写っているか確認
スマホやパソコンで申し込む場合、撮影した書類の画像を送信しますが、その際画像のチェックを怠らないようにしましょう。
- 画像が不鮮明で文字が読み取れない
- 必要な部分が欠けてしまい確認できない
- 撮影した顔写真が正面を向いていない
- 画像に影が入っていたり、光が反射したりしている
- 画像サイズが小さくて文字が読めない
画像を送信するときには、上記のような点をチェックすることをおすすめします。
希望する融資額などによっては本人確認書類だけでは審査通過できない
カードローンの審査では融資額などによっては本人確認書類だけでなく、収入を証明する書類の提出が必要になることがあります。
消費者金融などの貸金業者からの借り入れの場合、次の点に該当する場合は収入を証明する書類が必要です。
- 融資希望額が50万円を超える場合
- 借入金額が(他の貸金業者からの借り入れも合わせて)100万円を超える場合
上記のどちらか一方でも該当する場合は、収入証明書の提出をしなければなりません。
収入証明書として提出が求められる書類には、次のようなものがあります。
- 源泉徴収票
- 確定申告書
- 所得証明書
- 納税通知書
- 給与明細書
- 年金通知書 など
原則、最も新しいものを用意します。給与明細などは2ヵ月分などといった指示があることも多いです。
闇金に申し込むと本人確認書類などを悪用される危険性があるので注意
カードローンの審査に落ちてばかりで、どこからも借りられないとなると、闇金など違法業者からお金を借りることを考えることもあるでしょう。しかし、違法業者からお金を借りるのは大きなリスクを伴います。
違法業者に渡った書類は悪用されることがある
悪質な業者は、本人確認書類として提出した運転免許証や健康保険証などを悪用する可能性があります。カードローンやクレジットカードを作られたり、名簿屋などに売られて個人情報が流出したりする危険性もあるので注意が必要です。
また、運転免許証や健康保険証などにより、住所なども知られてしまいます。返済できないと自宅に取り立てが来たり、「個人情報をネットで流す」などと脅され闇バイトなどを強要されたりすることもあります。
危険な目にあわないためにも、軽い気持ちで運転免許証などを提出したり、闇金などからお金を借りたりしないようにしましょう。
本人確認なしでお金を貸す個人にも注意
個人名で「本人確認なしで融資します」、などといった勧誘にのってはいけません。個人だから気軽だし安心できるのでは?と思ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、SNSなどにおいて個人名で融資をするという情報を流しているのは、闇金などの違法業者である可能性があります。
たとえ闇金でなくても、お金を貸す場合貸金業者としての登録が必要で、無登録でお金を貸すのは違法です。個人間融資は利用しない方がよいでしょう。
身分証明書などは登録してある安全な貸金業者にしか提出しないこと
お金を貸す場合、財務局や都道府県に貸金業者としての届け出が必要です。登録するには、資産が必要だったり、貸付業務の経験が必要だったり、審査があります。
個人情報が記載された大切な身分証明書などは、信頼できる貸金業者や銀行であることを確認して提出しましょう。
登録業者であるかどうかは、金融庁や日本貸金業協会のサイトで調べられます。登録しているからといって必ずしも安全な業者であるとは限りませんが、金融庁では登録申請時の審査も強化しています。
不安な場合は利用しないことです。もしくは口コミなどもチェックしてどのような業者か調べてみましょう。
闇金からお金を借りて困っているなら早めの対処が必要
闇金などの違法業者からお金を借りてしまうと、個人情報を悪用されるだけでなく、高い利息がついて返済できなくなったり、悪質な取り立て行為をされたりすることもあります。
本人確認なし、審査なし、無職でも融資可能、などといった言葉で勧誘する悪質業者からはお金を借りないようにしましょう。もし、借りてしまい後悔していたり、悩んでいたりするなら、早めに弁護士や国民生活センター、警察などに連絡・相談をすることをおすすめします。
「本人確認なし カードローン」に関連するよくある疑問
「本人確認なし カードローン」に関連するよくある疑問を集めてみました。参考になさってください。
Q 本人確認なしのカードローンがないのはなぜですか?
A 本人確認をしないと、なりすましなどの被害にあったり、また貸したお金をきちんと返済してもらえなかったりすることもあるからです。また、本人確認をすることで、犯罪組織などに資金が流れないようにするため、カードローンの申し込みの際は本人確認をします。
Q カードローンを申し込む際の本人確認書類には何を用意すればよいですか?
A 氏名や住所、生年月日を確認できる顔写真つきの書類を用意しましょう。運転免許証やマイナンバーカードが用意できると安心です。
Q カードローンの申し込みに必要な本人確認書類を提出する際の注意点は?
A 有効期限や必要な情報が記載されていることを確認しましょう。特に画像を送信する際には、画像がぼやけていたり、必要な情報の部分が隠れたり欠けたりしていないかチェックをしてから送信することが必要です。
Q 本人確認なしの貸金業者は危険ですか?
A 本人確認をしない、審査をしないなどの貸金業者は危険です。闇金などの悪質業者である可能性があるので利用しないようにしましょう。もし個人情報などを提出すれば、悪用され犯罪に巻き込まれる可能性もあるので注意が必要です。
Q カードローンで3万円くらいの借り入れでも本人確認書類の提出は必要ですか?
A 借入希望額に関係なく、本人確認書類の提出は必要です。少額の借り入れでも、本人確認なしでカードローンの申し込みはできません。
カードローンの申し込みに本人確認書類は必須!不備のないよう提出しましょう
カードローンは本人確認なしでは申し込みできません。不備のないよう、しっかり該当する書類を提出しましょう。
提出する本人確認書類は運転免許証や健康保険証、マイナンバーカードなどですが、もし用意できない場合は消費者金融や銀行などに相談をしてみることです。
本人確認なしでお金を貸してくれるカードローンはありません。もしあるとしたら、違法業者の可能性もあるので注意しましょう。